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AMS-H-6088がキャンセルされ、AMS2770, 2771, 2772に移行。

2007.3.1

AMS-H-6088(HEAT TREATMENT OF ALUMINUM ALLOYS)は現在DOD公式サイトではキャンセルではないが、SAEではキャンセル扱いとなっている。そこで公式情報としてどうなっているのかを知りたいという依頼である。

解説
調査の結果AMS-H-6088は2000年7月にSAEによりキャンセルされたもののDODは1997年9月26日に採用し、現在においても使用(アクティブ)としている。したがって同スペックの最新公式状態は「SAEでキャンセルされたものの、DODでは引き続き採用している」状態である。
同スペックは元々MILスペックMIL-H-6088がキャンセルされてSAEに移管され、SAE-AMS-H-6088として維持管理されたもので、内容は変更されていない。その後、SAEは同スペックを民間スペックに作り変えるか、廃止とするか、また新たにAMSスペックとして制定するのかを検討をしたと思われる。そこで
本件をSAEとDODの双方に確認をとった。
AMS-H-6088のキャンセル通知について
SAEによりばAMS-H-6088はすでにC版(キャンセル通知)が発行され、用途別ににAMS2770, AMS2771,およびAMS2772に移行された情報が掲載されているとしている。しかしDODではそこまでの情報が行き渡っておらず、AMS-H-6088は生きたままである。
DODとSAEの見解の相違について
そこでSAE担当からDOD担当に直接確認してもらい、その結果DODはSAEの移行措置を誤認していることが分かり、早速調整された。また、近々DODのAMS-H-6088の採用情報も更新されるとのことである。このケースはDODはもはやSAEに委ねた案件、すなわちMILスペックMIL-H-6088がAMS-H-6088に移行した段階で,それ以降についての推移については誤解あるいは誤認をしていたことによる不一致であった。今回は弊社からの要求に基づきSAEからの呼びかけでDODも正式に認定したものであるが、このように日頃から公共スペックの改廃や内容の推移に精通し、必要に応じて制定元に対して「絡まった糸を解きほぐす」作業が求められているのである。