AMS-M-6857はMIL-M-6857の代替と考えていいか
2007.8.21
調査依頼内容
MIL-M-6857D NOT 1ではキャンセルされて移行先はないとしているがSAE-AMS-M-6857の存在を知った。そこでAMS-M-6857はMIL-M-6857が移行したと考えていいか。なおAMS-M-6857はAMS2768に移行しているようだが、そうなるとMIL-M-6857は現在AMS2768に移行したとも考えられるので調査願いたい。
調査回答
MIL-M-6857D NOT 1について
NOT 1の内容はMIL-M-6857Dを廃止し、移行先(Superseding)は無しとしている。よってSAE-AMS-M-6857に移行した形跡はない。なおこの点について米国防総省(DOD)の見解は「MIL-M-6857DはNotice 1にて廃止(Cancel)され代替(Replacement)は無い。SAE-AMS-M-6857はMIL-M-6857から取られたようであるが米国政府は代替として了解していない。」と回答している。
SAE-AMS-M-6857について
SAE-AMS-M-6857の内容はMIL-M-6857のものであることを示唆している。
SAE-AMS2768について
SAE-AMS2768はSAE-AMS-M-6857がA版にて廃止され、SAE-AMS2768に移行(Superseding)したことが明記されている。
(解説)
事例のようにこのAMSスペックにはあたかもMILスペックから移行(代替)したような番号体系である。しかしこの場合は移行したものと早とちりをしてはいけない。この事例ではMILスペックのNoticeで廃止され移行先は無いとしているからなおさらである。この調査によるDODの見解はSAE-AMS-M-6857はMIL-M-6857から取られたようであるが米国政府は代替として了解していないとなっている。当然ながら何らかの事情があるものと思われるが現在においてはこの2つのスペックには関連性はない。よってMIL-M-6857は現在SAE-AMS2768に替わっているという考え方はできない。このような事例は契約等に引用されるスペックとして混乱を与えることになっているがそのためにもスペック履歴の確認作業は不可欠となる。