DataCraft

Topics

【ニュース&コメンタリー⑥】 認定品情報の精度向上のために

2008.6.22

―MILスペック認定品調査&エビデンス・サービス―
わが国のユーザはMILスペック認定品の対応を充分に行っているだろうか。日頃からMILスペックの動向を監視している弊社では認定品目表(QPL)や認定業者表(QML)が米国防総省(DOD)により徐々に廃止、移行されていることでユーザの的確な対応が望まれているが、結局のところMILスペック認定品であるか否かはDODに確認するしかない。ここではMILスペック認定品に対するしっかりとした対応をおこなったユーザ事例を紹介する。

なおこの記事は弊社のニュース&コメンタリ・シリーズとして2007年11月の月刊誌「JADI」に掲載したものである。

FED-STD-595は色指定の規格である。そこでユーザはある指定色を必要としたが当該色はQPLに記載されていない。そこで既存のルートで調査したところあるメーカ品が認定品として該当しQPL番号が付与されているとの情報を得た。しかしながら調達を決定する現場としては情報の精度が低く当情報をもって調達を決定することはできないとした。理由はメーカからの情報は精度が当てにできないという事情からである。そこで調査依頼を受けた弊社ではメーカに対して製品がDODの認定品であることの証明を要求し、またDODに対して当該品を認定品として了解していいか確認をした。メーカは製品がDODから認定を受けている証拠を提出し、またDODもその事実を認定した。これによりユーザは安心して当該品の調達に切り替えることができた。
メーカからの認定情報は精度が低い
ユーザによればMILスペック認定品の場合メーカが認定されていると回答しても信用度や精度が低く、米国防総省(DOD)が認めてくれないと使用できないとしている。認定情報はユーザの海外支店や商社経由でもたらされるが情報精度が低くて信用性に欠けるものが多いと指摘しているのだ。ユーザの認定品決定部門の評価は厳しい。認定品の場合メーカが提供する情報でユーザの調達を左右させることは危険性が高いというのが真意である。弊社による調査回答がピンポイントな証拠(エビデンス)を引き出してくれるので精度が高く利用価値があるということが証明されたわけである。
DODはQPLが最新ではないことを認めている
知ってのとおりDODは認定品目表(QPL)を新しく認定品目データベース(QPD)に切り替えている。その理由はQPLの発行が認定品目の現状に追いつかないという背景がある。DODはQPLに掲載されない新しい認定品が数多く存在することを自ら認めているが、このことはユーザがこまめに確認をしなければならないことを教えている。認定品に関する調査はユーザの方向性を変える重要な業務であるだけに十分注意して当たらなければならない。弊社ではDODの認定品担当部門からこれら未掲載の認定品やメーカが提供する情報の真偽を質した情報を入手するが、これらはユーザにとって公的かつ有益なエビデンスとして取引先への説明資料に活用されている。
情報精度は企業の信頼性を表す
この事例は認定品ひとつをとってみてもユーザにとっては単なる調達業務の一環であるという認識に留まらず、企業の信頼性という観点で認定品の決定をしなければならない現状があることを教えている。その意味でユーザにとって認定品やMILスペックの運用については精度の高い情報を必要としており、そのための確認作業やエビデンスの入手は企業の信頼性を維持する上からも大変重要な業務となっている。弊社の調査業務はこのようなユーザの意思決定に重要な情報を提供しておりそれが巻頭で述べたように弊社の調査回答が多くのプライム・ユーザにとって非常に重要度が高く慎重に扱われているとの評価がある理由となっている。