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DODの統合政策によるコスト削減

2009.9.14

統合航空不全報告システム(JDRS)
2006年8月、米海軍の指揮の下、陸、海、空、海兵隊、沿岸警備隊などのすべての航空コマンド(Aeronautical Commands)がWebベースによる不全報告(DR: Deficiency Reportのこと。ここでは不全と訳す。)の統合化(JDRS)を図り、全コマンドの相互運用性を高めただけでなく、年間260万ドルものコスト削減を達成した。このDRは多種多様な任務によって使用される航空機や飛行設備などの全プラットフォームに関する欠陥や不備などの不全情報報告システムを言う。今回はDODの航空兵站システム(JALC)の統合政策が大きな成果を上げたニュースを紹介する。【DCメール】 2009年9月15日 No.253

■全軍統合不全報告システム(JDRS)とは
 近年、陸海空3軍と海兵隊、沿岸警備隊などは、それぞれ独立して飛行に関連するDRへの技術改良および訓練を追求してきた。不全、即ち航空機や関連する設備などの機能が整っていないことについての情報や決定は全軍の航空コマンドが使用するだけに、安全性や基幹である共通のプラットフォーム、システム、サブシステムおよび構成部品が多数あり大変重要である。そこでこの全航空コマンドを横断する問題について検討されてきた。共同配備の普及で、F-35や、C-130、H-60、そして V-22などの独立したプログラムの中で使用される共通の使命設備やさらに増加する重大な安全性およびこの情報の横断的な共有に対する質および安全性(適応性)は取得する製品の有効性を維持するのに本質的なものとして認識された。そこでDODは設備、武器体系および製品の類似性のためにJALC(統合航空兵站コマンド)を創設することになった。統合チームは2006年10月に発足した。 DRは問題が試験と評価の間に生じたかどうかに関係があり、新システムはDRプロセスを標準化し、また参加する各組織を横断する決定を提供するものとなった。
 
 
■問題
 JDRSの主要な最終目標は飛行に関連する問題の調査を改善することであり、 飛行安全性を強化して設備信頼度を改善することである。JDRSチームは、すべてのサービス用の基礎的な不全報告過程を標準化した。この標準化されたシステムは問題解決プロセスを統合し、Webベースで共有されるリレーショナル・データベースを備えたワークフローで駆動できるもので、JDRS チームは大多数のデータ報告仕様書や能力を調和させることができた。
 
 
■結果
 JDRSは、複合する航空セクターがエンジニアリングに関するDRの処理を単一のシステムとして入力するだけでユーザー・フレンドリーな「ルック・アンド・フィール」 サービスを共有することが出来るものである。その結果、資料不全報告書、危険性物質報告書、製品品質不全報告書、航空機検査欠陥報告書、技術刊行物不備報告書、 ソフトウェア欠陥報告書、そしてテストおよび評価報告書などがすべて単一のフォームで全軍が利用できるものとなった。システムの処理機能は開始から終了までDRライフ・サイクル・ベースをカバーしている。 機能はプロセス・ワークフロー、マテリアル・マネジメントおよびトラッキング(カスタマイズ可能)を含んでいる。 探索およびディスプレイ、管理報告書および処理メトリクス、さらに、JDRSはユーザやユニット、役割およびと特務権限を管理するた めの管理上のツールなど高度に一般的な増強された能力、決定援助および使いやすさの特徴を有している。
 改善された安全性、信頼度、および標準化されたワークフロー・プロセス内に働く利用可能なウェブ・ツールを使用すると、サービスはそれぞれより速く危険を緩和することができる。また戦略や戦闘に対する加速された反応を提供し、重大な飛行安全性は、信頼度問題を同様に報告する。さらに調査プロセスおよびレスポンスは標準化され構造化したアプローチにより改善された。
 また改善された維持能力は複合化した適用を報告することで、1つの不全の使用やシステム・セキュリティに関するシステム維持仕様を縮小させた。変更、ハードウェア・メンテナンス、システム改良など。改善された相互運用は、適用を劇的に報告する共通の不全の使用やサービス中の視界および相互運用を改善した。サービスに特有の倍数ではなく単一の共通の適用に使用することで、複写の除去により本質的な原価の削減を提供し、異なるサービスおよびシステム維持コストを縮小させた。その結果、生じる年間コスト回避は概算で260万ドルとなった。
 
 
■統合政策における挑戦と努力
 JDRSチームはいくつかの挑戦に直面した。資金調達については。JDRSの構築を指図した時、JALCは資金調達をせず、代わりに、 サービス・チームはそれぞれ、必要とされる収入を本質的に「見つける」ことを必要とされた。JALCは、スケジュールを縮小するようにインプリメンテーション・チームに促し、4か月まで。 多数のサービスを横切って協力すること。最初のJDRSチームは NAVAIR、空軍、および陸軍航空隊およびミサイル・コマンドメンバーから成りその後、 沿岸警備隊とDCMAが加わった。
 各サービスからの重要な仕事および専用リーダーシップの結果、1つの意味のある プロジェクトの範囲を拘束した協定書は開発され承認された。資金不足にもかかわらず、横断的協力により、縮小されたスケジュールで多数の機関により各種の問題をJDRSチームは展開することができた。
 
 
■現在の状況
 2008年5月に、JDRSは最初の操業能力(IOC)を達成し、空軍、陸軍海軍および沿岸警備隊などの飛行隊によって使用されるツールとなった。、2008年10月には12,700のDRがJDRSによって処理された。DRは毎年5万件以上処理されると予想される。 システムは、現在NAVAIR、空軍、陸軍からの11,000人を超えるユーザを抱えており、全ユーザ・ベースで16,000人のユーザを超過すると予想される。
 JDRSは統合執行委員会によって管理され、JDRSがプログラムすることを保証し、維持するととともにすべてのサービス用システムの改良に取り組み続けることになる。予算内で十分な機能性を備えたJDRSは従来までのDRを全軍統一し、標準化され、相互運用性が可能なシステムに生まれ変わった。このDRは多種多様の任務によって使用される航空機や飛行設備などのプラットフォームに関係する欠陥や不備などの不全調査を巧みに計画実行することが促進された。年間5万件のDRが処理されるこのシステムの主な目的は航空機装備や設備の信頼性を改善することにあるが、このシステムはさらに本質的な経済効果をもたらす結果となった。
 
 
 
 
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