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FLISデータ照合による問題発見と優先装備品の取得

2010.1.14

FLISと上手に付き合う方法
NSN部品にかかわる取得や調達にはFLISやNSNに関しての確かな知識を必要としている。一般に防衛装備品は直接米国メーカから、あるいは間接に日米の商社などを経由してこれらNSN装備品として輸入している。今まではこれらユーザはメーカ(CAGE)のパーツ番号を指定してメーカーに注文すれば取得できるわけで特段にNSNやCAGEなどFLISに記載された専門的な知識や状況判断は不要とされてきた。しかしFLISを提供するDODでは毎日更新するデータは大きく変化しまた情報を強化している。まさにそこにわが国ユーザの問題点がある。今回は数多くのFLISやNSN調査を通して今、そこにあるFLISユーザの問題点を浮き彫りにした。【DCメール】 2010年1月15日 No.261

■FLISと上手に付き合う方法
防衛装備品を米国から取得する場合FMSであれDCSであれCAGEやFLISに記載されるメーカーコードや部品番号と海外メーカから直接あるいは商社経由で入手する実際の見積や注文書類上の番号と異なるケースが頻繁である。また部品番号だけではなく形状や色、版など基本的に注文とは違った、あるいは注文自体が間違った部品調達がおこなわれるケースが後を絶たない。これらは明らかに無駄な取得費用としてコストや時間そのうえ取引先との信頼関係を失う事態が発生する。優先装備品は刻々と変化している。ユーザはFLISと上手に付き合うことでこういった問題を回避することが大切である。
■ここで改めて、NSNの意味を知ってもらいたい。
FLISのユーザであれば、だれでもこの番号システム、269-961-7766については知っているはずである。これはちょうど電話番号と同じである。電話番号の3つの個別部分は最初が市外局番であり、第2の部分は交換局番、また3番目の部分は個有の番号である。 NSNはこの電話番号と似ている。NSNは13桁のコードである。6240-00-357-7976 。NSNの最初の4つの数字は補給分類(FSC)として知られている。例えば、6240は電灯用のFSCである。FSCは例えば蛍光灯や白熱灯、水銀灯およびナトリウム灯のように同一物品をグループ化するために使用されている。次の2つの数字は国別コードである。装備品にNSNの割り当てを要求した国を示しているのである。残りの7桁の数字はNSNに連続して割り当てられる固有のコードである。
■そこで、NSNに埋め込まれた要素データを紹介する。
NSNには装備品を定義するための広範囲な兵站データが埋め込まれている。これらのデータには、品名、メーカー部品番号、代替品データ、価格情報、物理的性能特性、梱包データ、特殊取扱データ、保管データ、在庫期間データ、廃棄処分データ、その他管理データである。そしてNSNのライフサイクルにわたってメーカーの移動や価格の変動、部品番号の変更、その他装備品の支援や兵站データや特性に影響する最新情報を登録するために常時データ更新されるのである。
■NSNの本当の価値とは。
FLISなど兵站情報の最大の目的は、調達が迅速に行なわれることで装備品の欠落時間を短縮できることであるが、本当の価値とはNSNに取り込まれた各種要素データにより、在庫の確認、保存期間の識別、交換・代用可能な供給物品の識別、利用可能な代用品の最大限使用、価格情報の提供により防衛予算の最適化、武器システムのライフ・サイクルを拡張し、設計、製造および修理プロセスのためのサイクル・タイムの改善、 機密情報を保護し、多数の調達業者の登録、重複物品の識別援助などが最適に行なえることである。恐らくNSNの最も重要で最も遠大なメリットは、装備品の取得要求から保守、そして廃棄に至るまでのライフ・サイクル管理を提供するということにある。 NSNを集積したFLISやNCSは兵站情報としてWebFLISやNMCRLを通じて世界的に使用され、NSNはもはや兵站の国際語となったと言われている。今やNSNはトータル・コスト・オブ・オーナーシップ(TCO)の実現を具体化し、装備品の初期コストに加えてランニング・コストを含めた総合コストの削減を可能する戦略的な概念として今後益々進化を遂げるものとして期待されている。米国に端を発した装備品取得に纏わるDODによればNSNの総合コスト概念はNATO諸国や国連(UN)における物品取得のオプティマム・ツールとして世界最大の利用者を抱えるまでに膨れ上がっている。わが国が本格的にNSNを取り込むまでにはまだまだ解決しなければならない難題が待ち構えているが、TCOを掲げるわが国防衛装備品行政にとってNSNの運用は避けては通れないデファクト・スタンダードである。
■NSNを構成する各種データとは
NSNを構成する装備品データは多岐に渡る。現在各国で登録されるNSNは当然ながら共通したデータ構成を保持しておりその主なデータ・セグメントは次のとおりとなっている。
セグメントA    装備品識別データ
セグメントB    管理機関データ
セグメントC    代替品、スペック品等データ
セグメントE    標準化データ
セグメントG    輸送データ
セグメントH    価格、保管等管理データ
セグメントK    廃棄データ
セグメントM    技術特性データ
セグメントW    包装データ
■FLISユーザに降りかかる問題とは何か。
これらユーザが実際に直面する問題とはなんだろうか。ユーザは実際に入手した注文書や契約書、設計図面や部品表に記載されたFLIS情報とDODが公式に公開するFLIS情報には数多くの不一致や不足情報が存在するからである。これらの不一致や不足情報を補正し、あるいは充足しなければ実際の取得にはつながらない。弊社が手がけるFLISコンサルティング業務には次のような問題が投げかけられている。
■NSNが構成品となる上位部品の調査
■NSNに関係するメーカー部品番号の調査
■メーカー部品の互換性とエビデンスの入手
■NSN変更に伴うメーカー部品番号の調査
■NSNに関する優先部品番号の調査
■注文書とFLIS記載の不一致によるエビデンス入手
■正式番号の調査とそのエビデンスの入手
■RNVCにおける調達優先番号の調査
■RNCCとRNVCとの相関関係
■メーカ部品の在庫確認
■メーカ部品の日本販売店あるいは代理店調査
■FLISやNSN記載の全情報の知識
■メーカ部品のNSN登録手続きと更新
■NSNが使用されているエンドアイテム
■NSNに付随した公共スペックの一覧
■契約実績と価格
■NSNとメーカ部品番号との関係
■MILスペック認定品(QPD)との違い
■取得契約や注文時における最新版FLISデータの取得
■FLISデータの更新と変更契約
弊社ではこれらの問題を米国防総省や海外メーカ、国内代理店やユーザの協力を得て解決をしている。FLISはNSNの公式情報である。実際の取得契約にもとづく装備品情報と照合させることは何よりも大切で、照合しないままに放置することはその後の運用面や管理面において大きな問題を抱え、コストや時間などの無駄な費用はともかく取引先との信頼関係を失うことにもなりかねない。FLISと上手に付き合うことはもはや装備品ユーザにとって不可欠なものとなっている。
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