【DPMP】
2011.8.15
-DOD初の装備品リソース・ポータルサイトー
米国防総省(DOD)による装備品情報のリソースを全て結集したポータルサイトがこのほどウェブ上に構築された。その名も国防部品管理ポータル(Defense Parts Management Portal)。いままで無数のメーカ情報や装備品情報がウェブ上に氾濫してきたが、DODではいざという時に役に立たないことが問題視されてきた。MILスペックの閲覧サイトassistdocs.comを運営するDOD標準化計画部門(DSP)は新たにDPMPというポータルサイトを立ち上げてあらゆる装備品メーカーの協力の元、部品やパーツを含めた装備品情報のリソースを結集して一元化を図ることにした。米国防予算削減の中、即応体制(レディネス)の維持を何よりも重視することが求められるDODは今、装備品メーカの協力を得て官民一体の装備品ポータルサイト構築に全力を傾けている。今回はこのWEB版装備品イエローページを紹介する。(
DCメール 2011年8月15日 No.299)
■DPMP
この装備品ポータルサイトはまだ立ち上げたばかり。現在でも毎日のように新たなメーカ情報や製品情報が追加され、新しいリンクが張られている。そこで弊社では日本のMILスペック・ユーザにいちはやくその概要を紹介することにした。
https://dpmp.lmi.org/default.aspx
■Enter the DPMP!
まず上記のURLポータルサイトをクリックして、ホームページの左上にある「Enter the DPMP!」をクリックしてみよう。そこに現れるMaster Content(主要索引)の画面中央に位置する「Parts and Components Sources」が目指すポータル・サイトとなる。早速その内容を追ってみる。
■装備品リソースはFSC別に管理。
個々に結集する全てのリソース(製品情報)は4ケタのFSC(米国政府供給分類コード)で仕分けられている。このFSCは以前メルマガで紹介したが、MILスペックにも記載されており、ご存知のユーザも多いことであろう。ちなみにMILスペック閲覧サイトのassistdocs.comにおいてもFSC検索ができるようになっている。そこでこのDPMPではFSC分類された装備品は次のような仕分けになっているので事例を挙げて紹介しよう。
■装備品リソースFSC分類(Parts and Components Sources)
FSCは通常4桁からなり、最初の2桁が大分類、後ろの2桁が小分類となる。DPMPは全てのFSCを採用するのではなく、部品や半導体を中心にした装備品が対象であるので、次のような必要FSCが選別されている。
1200 Fire Control Equipment
1400 Guided Missiles
1500 Aircraft and Airframe Structural Components
1600 Aircraft Components and Accessories
1700 Aircraft Launching, Landing, and Ground Handling Equipment
2000 Ship and Marine Equipment
2600 Tires and Tubes
2800 Engines, Turbines, and Components
2900 Engine Accessories
3000 Mechanical Power Transmission Equipment
3100 Bearings
4300 Pumps and Compressors
4700 Pipe, Tubing, Hose, and Fittings
4800 Valves
4900 Maintenance and Repair Shop Equipment
5300 Hardware and Abrasives
5800 Communication, Detection, and Coherent Radiation Equipment
5900 Electrical and Electronic Equipment Components
6000 Fiber Optics Materials
6100 Electric Wire, and Power and Distribution Equipment
6200 Lighting Fixtures and Lamps
6600 Instruments and Laboratory Equipment
6900 Training Aids and Devices
7000 ADP Equipment Software, Supplies and Support Equip
8100 Containers, Packaging, and Packing Supplies
例えば上記のFSC2800のEngines, Turbines, and Componentsをもっと細分化した分類コードをみてみよう。FSC2800をクリックすると次の小分類コードが現れる。
■2800 Engines, Turbines, and Components
FSC2800(エンジン、タービンおよびその部品類)には次のような細分化された分類ガ用意されている。
2805 Gasoline Reciprocating Engines, Except Aircraft, and Components
2810 Gasoline Reciprocating Engines, Aircraft Prime Mover, and Components
2815 Diesel Engines and Components
2820 Steam Engines, Reciprocating; and Components
2825 Steam Turbines and Components
2830 Water Turbines and Water Wheels; and Components
2835 Gas Turbines and Jet Engines, Non-Aircraft and Components
2840 Gas Turbines And Jet Eng Acft Comps
2845 Rocket Engines And Components
2845 Rocket Engines and Components
2850 Gasoline Rotary Engines and Components
2895 Miscellaneous Engines and Components
そこで例えば上記のFSC2845 Rocket Engines And Componentsをクリックすると以下のような当該装備品メーカ一覧表が現れる。
■2845 Rocket Engines And Components
Alliant Techsystems Inc.
Boeing Co
Gencorp Inc.
Kaleva Design
Planetary Systems Corp.
Summa Technology Inc.
Talley Defense Systems Inc.
United Technologies Corp
そこでユーザはそれぞれのメーカ・ページを閲覧することで必要とする情報取得を迅速に間違うことなく行うことができる。これらDPMPに参加する各メーカは自らホームページをDPMP用に作成あるいは添付してユーザの便を図ってる。(これをここではブリッジ・ページと呼んでいる。) このようにDODがユーザのために一元化した情報リソースの場を与え、装備品メーカがその製品のホームページを独自に作成し、リンク付けしたものがDPMPである。メーカは常時最新情報を貼り付けることで、ユーザは安心してDPMPを通じてメーカ情報や装備品情報の取得が可能とされている。
■ブリッジ・ページ(Bridge Page)
そこでDSPは各メーカがDPMPポータルサイトにかなった情報提供ができるようにいろいろ工夫をしている。そのひとつが簡単に自社や製品の紹介ができるようなテンプレートである。テンプレートにしたがっていかなる中小企業や専業メーカは簡単にユーザ向けの情報発信基地(これをブリッジ・ページと呼んでいる。)を構築できるようにしているのである。
■その他官製情報リソース
DSPはこのポータル・サイトを装備品情報に関するあらゆる官製情報の集約基地としても利用している。例えばCore Content(コア目次)として以下のようなDODが提供する装備品情報やサービス、管理情報を提供している。
Community Connections
Parts Information Repositories
Tools
Services
Life Cycle Parts Management & Collaboration Education and Training
またTopics of Special Interestとして次のような関連情報も提供している。
Counterfeit Parts
DMSMS
Lead Free
Preferred Parts
Standardization
Defense Standardization Program (DSP)
GIDEP
PinPoint
LogiQuest
Part Search
BOM Manager
■assistdocs.comがリンク付け
またDSPが推進するMILスペック閲覧サイトassistdocs.comのリンクが貼られている。MILスペック・ユーザはDPMPを利用して装備品取得をスピーディに、安心して行える環境の提供を行うことがこのポータルの目的である。そう、このポータルサイトでは装備品取得のためのイエロー・ページを目指していると記載されているのである。
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