DataCraft

Topics

【GSAビジネス】

2011.12.14

ーその膨大な米国政府市場への参入ー
米国政府の一つにGSA(共通役務庁)という機関がある。米国政府が必要とする全ての汎用品の買付けはここで行われている。例えばホワイトハウスのテーブルや空調システム、国会議事堂の絨毯や通信システム、各省庁の備品、米国各州の公共施設や図書、また在日米国大使館、厚木の米軍基地内の全ての施設や備品はこのGSAが取得配備している。わが国の汎用品メーカーはこのGSAシステムを利用することで販売の拡張が可能となるのである。 (DCメール 2011年12月15日 No.307)

                      

■GSAとその役割について
日本ではGSAは共通役務庁と訳されるが、実は余りよく知られていない。GSAの任務は世界中の米国政府職員が任務を実行するために必要な職場や物資、役務、およびソリューションを最も妥当な価格で提供するものである。政府職員が事務所や倉庫, 森林または政府車両にかかわらずどこでも活動できるよう膨大な任務環境で従事している。この任務によりGSAは職場, 保障, 家具,設備, 物資, 道具, コンピュータ, および通信を提供している。GSAはまた,職員の旅行や移動を提供し, 政府の車両を運用し, 在宅勤務センターや連邦政府の保育センターも管理し、歴史的な建物を保存し、芸術を計画し、政府方針を 策定し、提唱し、評価する役割を担っている。GSAには15000人の職員が従事している。
GSAは1949年7月1日にフーバー元大統領によって連邦政府資産管理条例のセクション101により設立された。当事務局は取り扱う物資や職場などを提供する上で、無意味で余分な費用および混乱を避けるため一つに統括することを勧告した。1949年以来, GSAは国内のあらゆる政府の重要な職務を行うために連邦職員を雇い, 物資や役務を提供している。GSAは民間市場から毎年400億ドルの物資や役務サービスを契約し、およそ1万5000人の職員を雇っている。
この日本の官公庁にはない役割を持つGSAは、全ての政府機関で使用される物資や役務調達を一手に引き受ける莫大な権限を保有している機関である。またGSAの取得や契約制度は世界に開かれており、一定の審査においてわが国の企業やその物資・役務も登録でき入札によっては莫大な調達が発生する可能性を秘めている。例えば過去の例では、ある韓国の事務用品メーカーはペーパー・クリップを落札したために、全世界の米国政府諸機関で使用されるクリップの提供により莫大な利益をあげた。また日本製コンピュータが大量に受注されたケースなどはまだ記憶に新しい。
 
ところでGSAの扱う汎用品とMILスペックには少なからず縁があるのである。MILスペックのひとつにCID(民間品目記述表)があるが、これはFEDスペックや民間規格に準拠した製品や物品の特性を簡単に記載したもので特別な要求に基づいた設計や試験、品質検査、梱包、マーキングなどを不要としている。今後益々連邦スペックは無くなる傾向にありCIDは増える傾向にあるとされている。
MILスペックの改革以後、DOD(米国防総省)はできるだけFEDスペックの新規作成や継続を避け、民間規格やCIDを代わりに採用している。すなわちDODではなるべくFEDスペック準拠品をやめて、一般汎用品で買えるようにしている。こういった傾向によりGSA調達品が増えているのである。
そこでGSAは世界の汎用品メーカーに次のように呼びかけているのである。貴社には販売する製品かサービスがありますか? GSAはそれを購入します。それはGSAが世界の最大の顧客である米国政府の営業マネージャであり購買部長だからです。GSAはその供給とサービスの契約のために新しい入札者との競争を求めています。貴社がGSA市場のシェアを得るのに関心があるなら連絡をお待ちしています。GSAでは契約するための手続や方法を貴社に教え、購入する世界中の米国諸官庁との橋渡しをいたします。
 
このようにGSAは世界的な立場で製品やサービスを連邦政府内の各機関や軍, 連邦政府裁判所, および米国議会向けに購入する。GSAは強く弱小企業イニシアチブを支持している。女性またはベテラン(退役軍人)が所有する企業は特に調達への優遇アクセスを受ける。.また各地方の弱小企業ビジネス・センターはこれらの責務を全うしている。
 
GSAは連邦政府の規則によって管理されるさまざまな契約諸手続を通して製品やサービスを購入している。.これらの諸手続は, GSAができるだけ予算に見合った製品を購入し納税者のために正しい使い方をしなければならないからである。貴社はどこからでもGSA計画と要求を知ることが出来、GSAでは貴社が提供する製品や役務サービスを世界中の職員に紹介しているのである。またGSAカウンセラーは貴社の製品やサービスがGSAによって購入されるかどうか調べ.応札企業メーリングリストに掲載する援助をおしまないのである。
 
こうして世界中の汎用品メーカーやサービス企業はGSAに登録し、契約機会をねらっているのである。当然ながら書類による参加する資格審査や物品供給システム(連邦政府供給システム)に則った制度がある。しかしMILスペック改革により特殊品は徐々に一般汎用品に切り替えられ、GSAによる入札の機会は着実に多様化している。
 
下記のGSAサイトを紹介するので詳細は直接GSAにお聞きください。または弊社までお問い合わせ下さい。
http://www.gsa.gov/portal/category/100000
http://www.gsa.gov/aboutgsa.htm
【お願い】本誌の性質上、出来る限り日本語にしてお伝えしているが、適訳であるとは限らない。また、紙面の都合上全ての原文を引用できない場合がある。なお、本誌は参照情報源としてだけ使用されるものであり、完全性や正確さを保証したり主張したりするものではない。また本誌に記載された内容を無断で引用または転載することは禁じられている。