【日本とNATOの協力】
2014.5.1
-NATOホームページにわが国支援を高く評価ー
この5月日本の安倍総理大臣が2007年に続いて北大西洋条約機構(NATO)を訪問し演説を行うという。ところでNATOのホームページでは日本とNATOとの長年にわたる交流について高く評価した記事が紹介されている。日本ではあまり語られることのないNATOであるがわが国は長年にわたりNATOを支援してきたのである。そこでここではNCSなどロジスティクスにおけるNATOとの関係はともかくこの記事を通してわが国とNATOとの深化する協力関係を紹介する。なお詳しくは以下を参照ください。 ( DCメール 2014年5月15日 No.364)
http://www.nato.int/cps/en/natolive/topics_50336.htm
日本とNATOの協力
日本は北大西洋条約機構(NATO)において最も長い間世界のパートナー」である。1990年代初めに初めての関係を構築して以来、共通の安全保障上の利益についての対話がより定期的かつ構造的になっている。
日本の実務的な協力は平和支援と危機管理活動、民間緊急計画、サイバー防衛、テロ、核不拡散などに対する防衛だけでなく諸活動への参加など分野の広い範囲において構築されている。アフガニスタンの安定化は過去十年間の協力の重要な焦点となっている。
NATOと日本は 2013年4月にNATO事務総長の訪問の際に調印され、共同政治宣言において協力を強化するとのコミットメントを発表した。共同政治宣言は近年における長きにわたるNATOと日本の関係を如実に示している。
それはルール•ベースの国際秩序追求を通じて世界の平和、安定と繁栄を促進する上での共有の戦略的利益を定めている。また日本とNATOはこのような危機管理、平和支援活動や災害救援活動のほか、ミサイル、海賊あるいはサイバースペースでの新たな脅威に対する防衛としてのより緊密な協力を構築できる分野を概説している。
日本は同じような戦略的な懸念や主要同盟国との関係を構築する欧州大西洋域を超えた国家の一つである。NATOの戦略概念は2010年のリスボンサミットで採択され、すべてのパートナーの協力と対話の同じ基準を提供しすべてのパートナーに開放されたより柔軟なパートナーシップ政策の道を開いた。
日本は現在パートナーシップ協力メニューにおいてその利用可能な協力活動の広い範囲からNATOとの関係を公式化しておりその関心に合わせ個々のパートナーシップおよび協力プログラムを構築している。
【日本との実務協力について】
日本はNATO主導の国際治安支援部隊( ISAF )がアフガニスタンの復興と開発努力のために特別の支援を提供してきた。日本は2012年7月に東京コンファレンスを組織しアフガニスタンの継続的な構築のための国際的な支援を動員し自らが5年間( 2009年から2013年)にわたってこの目的のために50億ドルを約束した。
過去において日本は武装解除や動員解除、元戦闘員の社会復帰に向けた取り組みを支援しアフガニスタンの平和と再統合プログラムの下で武装勢力を再統合するための努力を支援し続けておりその額は米5200万ドルを拠出している。
また日本は2007年からアフガニスタンの多数の地域で人間の安全保障プロジェクトに財政支援を提供してきた。 ISAF 、地方復興チーム( PRT)の草の根( GAGP )運動のために日本の無償資金協力のための重要な領域を特定することで促進した。
2009年には、日本はこれらのプログラムを支援するためにチャランリトアニアのPRTとマザリシャリフスウェーデンPRTへ連絡将校を任命した。彼らはまたGAGP資金の20百万米ドル相当の調整を支援するNATOのシニア市民代表オフィスに直接的な存在感を維持している。
また日本はアフガニスタン国軍( ANA)に 米2000万ドルだけでなく、医療物資を調達するための資金を含めANAを装備し維持を目的とした信託基金への貴重な貢献をしてきた。さらに日本は備蓄管理や弾薬の物理的なセキュリティを強化する目的でアフガニスタンのNATO /パートナーシップ信託基金プロジェクトへの寛大な貢献をしてきた。
日本はまた主に給与やアフガン警察の訓練を支援するため2007年からアフガニスタンの法と秩序信託基金( LOFTA )に寛大に貢献してきた。 2010年から2012年3年間の寄付はほぼ6億米ドルに達した。
日本は他のパートナー諸国と同様の信託基金のプロジェクトを支援してきた。それはタジキスタン弾薬の備蓄•管理プロジェクトを支援しまた汚染された土地の571ヘクタールをクリアして、安全にアゼルバイジャンで不発弾を処分するためのプロジェクトに貢献している。
主要援助国としてバルカン地域や欧州への再統合の正常な回復に貢献した – 1990年代には、日本はNATOが1990年代半ば以降、いくつかの平和支援活動をリードしてきたバルカンの安定化に役割を果たした。さらに最近では日本の海上自衛隊はアデン湾で海賊の攻撃を防ぎNATOの船を支援してきた。
【日本との対話について】
日本はブリュッセルのNATO本部で交互に開催されたハイレベル協議を含む戦略対話を1990年代初頭から進めてきた。初期の対話はより構造的な定期的な関係につながった。
NATO事務総長は2005年4月に東京を訪問しそして再び2007年12月にも訪問した。また2007年1月には安倍晋三内閣総理大臣として彼の最初の任期中に北大西洋理事会で演説をし、日本の松本外務大臣は2011年5月にNATO本部を訪問し現在の事務総長、アンダースフォーラスラスムッセンに会った。
現在の事務総長、アンダースフォーラスラスムッセンは懸念を共有するセキュリティ問題に対する安倍晋三首相や幹部との会談のために2013年4月に再来日し深い協力の機会とした。
近年ではNATOと日本の関係の深化は日本の当局者が北朝鮮、アフガニスタンへの支援、中央アジア、ミサイル防衛の協力、反海賊行為など相互に関心のあるセキュリティ上の問題についての同盟国との非公式な意見交換を数多く参画していることを示している。
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