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【ニュース&コメンタリー⑤】 航空機に使われる部品やスペックを管理したい

2008.6.22

― DOD、エンド・アイテムとMILスペック・MIL部品情報を統合化 ―
米国防総省(DOD)はこのたび航空機やエンジン、艦船、誘導弾などのエンド・アイテムとMILスペックおよびMIL部品を統合して相互検索を可能にした画期的なDODロジスティック・ツール(WSIT)を発表した。これは従来から独立して存在したエンド・アイテムとMILスペックおよびMIL部品のデータベースを統合化したもので共通部品や共通スペック、あるいはスペックや部品の廃止に伴う問題を予め予測し効率的な運用を可能にするものとして期待されている。

なおこの記事は弊社のニュース&コメンタリ・シリーズとして2007年10月の月刊誌「JADI」に掲載したものである

DODの発表内容           
WSIT(Weapon System Impact Tool)は今日の複雑なDOD後方支援システムのなかでも特に取得管理業務に価値のある情報を供給することができる強力なツールであり、部品カタログ・データや調達履歴ファイルのような多数のデータソースからエンド・アイテムやMILスペックに関する情報に至るまでを検索に基づいて収集することができるとしている。
画期的なエンド・アイテム情報
このWSITの特長は何といっても今まで成しえなかったエンド・アイテム(完成品)情報が膨大なMILスペックと無数の部品データベース(FLIS)と統合化したことにある。DODはWSITにより代替品の選択、枯渇部品の洗い出し、重複スペックの見直し、不要NSN部品の削除など航空機やエンジン、艦船、誘導弾にいたる各種エンド・アイテム相互による共通化、統合化が促進されるとしているが、その他様々な利用が期待されている。
事例: エンド・アイテム検索
WSITのエンド・アイテム検索をすると、例えばF-15に使用されている全てのMILスペックを知ることができる。また同様にF-15に使用される全ての部品(NSN)番号を知ることができる。同じように他の航空機やエンジン、艦船などエンド・アイテムからの検索をすることで現在使用されているMILスペックやMIL部品が全てわかるようになっている。
事例: MILスペック検索
WSITのMILスペック検索をすると、同じMILスペックが複数のエンド・アイテムで使用されていることがわかる。これによりそのMILスペックが廃止された場合、エンド・アイテムに与える影響を予測することができる。またMILスペック別に関係する部品(NSN)を全て知ることができるようになっている。
事例: 部品番号(NSN)検索
WSITの部品検索をすると同じ部品が複数の航空機に使用されていることがわかる。これによりある部品が廃止や枯渇した場合、エンド・アイテムに与える影響を知ることができる。またあるMIL部品に関係するスペックをすべて知ることができる。これによりMILスペックが廃止された場合の部品に与える影響などを知ることができる。
弊社のWSIT運用支援
DODは従来から望まれていたMILスペックと部品情報の統合に加えエンドアイテムを引き入れることで取得管理業務が大幅に改善されるとしているが、わが国のユーザにとってもエンド・アイテムを利用した部品・スペック情報の入手により、部品管理業務や資材調達業務、輸入業務にも大いに利用されるものと期待されている。弊社ではこれらのユーザ向けに安心して利用できるWSIT運用支援サービスを展開する。なおWSITの利用はDODにユーザ登録をする必要がある。