新・MIL認定品データ(QPD)について
2010.4.14
MILスペックの知識
DODは今から4年前の2006年に従来の認定品目表(QPL)や認定業者表(QML)を新しい形式のQPD(認定品データ)に切り替えた。といっても徐々に切り替えつつあるのが現実で、従来のQPL749件のうち現在までにQPD化したものは652件となっている。残りのQPLも徐々にQPDに変更されている。ところでMILスペック・ユーザにとってQPLやQMLは安心して使える認定品情報であったがDODでは多くの問題を抱えていた。そこで今回はDODが説明するQPDへの変更理由など改めていくつかを解説した。DCメール 2010年4月15日 No.267
■DODの認定業務について
DODはMILスペック製品やその製造工程につては現在もQPLやQMLと同様な方法で認定業務をおこなっている。認定に対する特定要求は適用する仕様書によって異なっている。またこれらの認定行為は更新情報を発行するがこれらも製品によって異なっている。MILスペック製品や製造工程は初めて認定されたあと定期的に再認定や再試験が要求される。また製造業者や納入業者は、再認定を保証するために製品設計や製造に変更がないことを定期的に証明しなければならない。パッケージ化された接着剤のような製品は5年ごとに認定が要求される。またその他のほとんどの製品は24か月ごとの証明を要求されるが、これらの期間については各認定業務によって定められており、長くなることもあるし短くなることもある。
QPD以前のQPLやQMLではダウンロードできる紙文書として発行されてきた。紙文書の準備や発行に関する準備のため、多くの場合QPLに製品や納入業者が追加された時と公に利用可能になった時に重大な遅延時間が存在した。QPDは適切な記録がデータベースの中で認定データセット(QDS)として管理されるので、変更を処理するのにより効率的な手段となる。これはQPLを同時に変更するオプションを認定業務に与え、また認定業務がそれらの変更を発行すると同時に、情報は直ちにQPDのすべてのユーザが利用可能となる。リレーショナル・データベースに認定情報をすべて整理することによって、QPDはさらに認定業務、関連部門である標準化オフィス(DepSOs)や標準化幹部、およびDSPOがよりよくDoD認定計画を監視し、管理することができる報告書および他のツールを提供する。QPDはさらに製造業者や販売業者および他の納入業者が適切なQPLあるいはQMLの認定を監視し維持するのを助けるツールを提供する。最後にQPDは認定品を購入するユーザに最新情報を提供する。これはすべての関係者にとって認定データの変更を通知する効率的で有効な何よりの方法となっている。
■QPL・QMLの定義
DODが従来から行ってきたQPL・QMLなどの「認定業務」は次のとおり。
1.メーカなど調達業者による物品やプロセス、部材を検証・試験を行う。
2.MILスペックの要求に合致しているかを決定する。
3.取得計画に先行しているか、独立しているかを検証する。
尚ここで言うQPLとはDODの認定要求に合致した物品一覧表である。またQMLとはスペックの要求に合致した物品を製造することを可能にする認定されたメーカ、製造工程や過程、材料などの一覧表である。
■認定データの更新理由
DODは次のような場合にQPLやQMLデータの更新を行う。
1.製造業者が製品(設計・材料・製造工程)の変更を報告した場合。
2.製造業者が製品が生産される事業所の場所の変化を報告した場合。
3.QPLやQMLのCAGEコードが「ACTIVE」でないと考えられる場合。
4.認定業務が新製品や新生産源として承認した場合。
5.証明期間が終了した場合。
6.製造業者が新しい試験データを提出した場合。
7.製造業者か納入業者から認定品に不一致にあることで警告を受けた場合。
8.製造業者の事業所の所在地の変化を反映した場合。
9.製造業者または納入業者が新しい窓口担当者を報告した場合。
10.製造業者が生産を中止した場合。
11.製造業者が法的に整理あるいは禁止された場合。
12.製品または部品が法的に準拠していないと分かった場合。
■QPDデータの作成順序。
DODの認定業務は、割り当てられた仕様書に必要な認定を管理することが求められている。QPDの記録は以前は過去からのQPLおよびQML文書で公表されたデータを含んでいた。以前はPDF文書は認定業務によって用意され、登録されるためにDAPSへ転送された。現在のDOD認定業務ではQPDへ変更情報を直接入力するために認定業務が変更情報を発行し、最新情報はすべてのユーザに直ちに利用できる。
■QPLは今後どうなるのか。
QPLとQMLがQPDにより公表されるとともに、過去からのQPLおよびQML文書は段階的に無くなり、QPDの電子等価物と取り替えられていく。QPLあるいはQMLがそれぞれQPDデータベースに変形されるとともに、過去からのQPLおよびQMLはデータベースから取り除かれ、オフ・ラインで旧版公文書の目的のためにアーカイブで保管される。DOD認定業務の目標は、従来からのQPLあるいはQMLをQPD形式で公表することにある。
■今後どのように認定品を見つけるか。
認定データは、認定を要求する管理仕様書に結び付けられる。例えばQPL-1が文書としてはもはや存在しないが、管理仕様書この場合MIL-PRF-1)を探索することによって、あるいはQPL-1を探索することによって認定品データにアクセスすることができる。
■関連する特定部品や特定製造業者を見つけられない場合。
QPDにすべての仕様書や特定部品あるいは取引するすべての製造業者を含んでいるとは限らない。データは認定要求を行っている現用される仕様書に制限されている。さらに仕様書が認定要求を削除するために取り消されるか改訂される場合、その仕様書に関連した認定データはオフラインで、アーカイブに保管され利用不可能になる場合がある。QPLかQMLを見つけることができない場合は仕様書が認定用の要求を削除するために取り消されたかもしれないし改訂されたかもしれないのでMILスペックをまずはチェックすることが大切である
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