【MILスペック認定品への挑戦】
2013.6.2
ーわが国メーカの積極的な取得申請を応援ー
防衛装備品にとってMILスペック認定品は最強である。米国防総省(DOD)が推進するこのMILスペック認定品制度は厳しい環境の下で高信頼性を発揮する部品や材料を予め登録しておき必要なときは即時に使用できるように準備している。だから当然その審査は厳しい。申請メーカは製品だけではなくその製造プロセスや材料も吟味されなによりもメーカ自身が質されることになる。しかしそれだけにメーカにとっては垂涎の的である。なにしろ世界中のユーザが認定品の使用を義務付けられているからだ。わが国の装備品メーカは高品質な製品を製造することに長けている。今MILスペック品の認定取得活動が静かに始まっている。そこで改めてDODが紹介する認定制度の一節を紹介しよう。( DCメール 2013年6月1日 No.342)
■認定とは何か。
認定とは取得に先立ち取得とは無関係に行なわれるプロセスのことである。その目的は物品がMILスペックの要求に一致することが試験によって確証されるか認定品の製造業者の能力を証明する(通常監査によって)かどちらかである。認定された製品は認定品目表(QPL)に掲載される。監査プロセスによって承認された業者は認定業者表(QML)に掲載される。これらの記録は認定品目データベース(QPD)で電子的に保管されている。
認定品目表(QPL)は認定された製品と取得できる業者の一覧を含んでいる。QPLは安定した設計や構成を備えた物品に使用されそれによって高額な試験コストを招かずに個々の製品に認定を与えることになる。対照的に認定業者表(QML)は個々の製品ではなく業者のプロセスや材料の外被に認定を与えることを主としている。QMLは急速な技術的進歩を経験するか無数の変化を持つ物品にまた個々の非実用的で過度に高価なカスタム設計の製品認定をする場合に役立つ。
認定はさらに余分の初回品試験の必要性をなくすことにより試験コストを縮小する。試験が非常に高価で長い時間をとる場合それは特に重要である。要約すると、認定は計画実行する危険と品質保証の関係を最適化し実行可能な供給源からの信頼できる製品の連続的な有効性によって準備を改善し業者の取得に先立つ能力の証拠用の要求を確立し標準化し要求および連続的な製品品質改良への適合を保証するべき供給源との長期的な関係を築くことになるからである。
MILスペックの認定制度は製造業者が自らの製品やプロセス、材料を米軍による性能、品質、信頼性などの要求を満たすことを実証するプロセスである。米国防総省(DOD)の品質支援システムと管理職員は認定の場所および業務を保証するために製造業者の施設の現場監査を行う。これは文書やデータ、観測プロセスや試験を検証し納入材料から製品出荷までの実際の製造フローを検証し職員とのインタフェースによって達成される。
認定要求は適用されるMILスペックと規格で規定されている。認定が正常に実行された後製造業者の製品、プロセスおよび材料は該当する認定品目表(QPL)または認定業者表(QML)に記載される。
注:すべてのスペックや規格への継続的な法的準拠のための責任は製造業者と試験機関にかかっている。彼らは必要に応じてスペックや規格に対するすべての変更を実装するための責任がある。
■MILスペック認定品を調達するユーザの利点
入札のための共通基盤は少なくとも最低限必要な機能を持つ認定保証製造業者の間に存在する。QPL/ QMLのない入札プロセスは同じ機能部品の種類、製造業者によって販売される製品のグレードの広いスペクトルの電子部品のため非常に複雑である。QPL/ QMLは適用するMILスペックに準拠するための組込みシステムを持つので契約上の要求が大幅に削減される。また要求や製造業者の状況に関するすべてが提供される利点がある。
QML/ QPL製品は再調達が簡単にでき標準化された利点を提供する。事前裁量調査が実行され長い起動時間が不要であり初回品試験も認定試験がすでに行われているので必要ない。 QPL/ QML製品は流通網を介して取得でき継続的な改善と製造業のシステム開発を通じたコスト削減により利用可能となる。認定品は多種多様なユーザに利用され製品は明確に(仕様書や規格によって)定義され管理性能、品質、信頼性の限界を満たすことを保証している。
またQML/ QPL製品は認定活動によって監視され認定活動は技術的な質問や問題を解決するためにユーザの代弁者として機能する。それは問題に対処し解決するためにQML/ QPL施設のあるすべての分野を監査する権限を有しているからである。
■認定プログラムにおける新たな取り組み
DODでは多くの新しい分野でメーカやユーザが新技術や製造手法を活用できるように追求している。これらの改革はコスト削減の観点や品質と信頼性の増加、短縮納期サイクルまたはシステムの後方支援増加などのユーザの利益になる。すべての改革が必要な品質と信頼性レベルが危険にさらされていないことを保証するために検証され現在のシステムの要求が維持される。
注:DODはこれらの技術革新についてすべてのQPL/ QML製造業者が提案し実装する方法と論議することを奨励している。
■QML (認定業者) の理念
この新しいアプローチは基本的に製造業者が管理され技術的に高品位の製品を生産し政府から最少の監督で “世界的な”製造業者として競争するために十分に健全であることを検証することにある。製造業者はプロセス管理および継続的な改善により高品質の製品を製造することが最善の利益になることを理解しなければならない。企業はもはやスペックを満たすだけでは世界市場で生き残ることはできない。上記のすべての特筆された取り組みは認定プログラムに最適な実践と柔軟性を注入するようなツールとして採用されている。
■認定製造業者になることの利点
製品を実証する認定はMIL品としての性能、品質、信頼性の要求を満たすことにある。 QPLとQMLは多数の世界中のユーザに送付され結果的に製品は世界中の可視性を取得することになる。製品の全体的な品質と信頼性と同様に歩留まりを向上させることができる。信頼性の高い製品の製造業者として世界的に認識される。すべてのユーザ認定試験が低減される。顧客や政府機関の信頼を高めることができる。
■ペーパーレス・イニシアチブ
以前まではQPLとQMLは印刷された文書として公表され更新は常に改訂された印刷物が発行されていた。しかし新しいデータを公表するためのリードタイムのためにユーザは数ヶ月遅れた情報を取得していた。現在ではQPLおよびQMLの自動システムにより認定業務は必要に応じて公表されるとすぐにユーザは全ての情報に対して即時アクセスすることができる。
注:認定の目標の1つは競争を促進することでありそれを制限するものではない。また仕様書が認定要求をしているにも関わらず認定業者がいない場合は認定要求を削除しそれを初回試験用の要求に取り替えるかあるいは生産者が要求を満たすことができるように仕様書の変更をするべく見直し修正をする必要がある。
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