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取引におけるスペック・トラブル根絶のために(調査事例) 

2007.2.11

防衛装備品等の取引にはMILスペックを中心として多くの公共スペックが引用されるが、これらの解釈や取り扱いについては取引先との立場の違いや、またスペックの取り扱い方によってさまざまな問題が噴出している。その結果納期遅延や再契約など多くのコスト要因に発展する場合が多い。

これらのケースは往々にして海外の取引先が多く、日本企業は相手先に振り回されるようである。今後できる限りこのような問題を根絶していくためにも今回は実例を踏まえてこれらの問題を考えてみたい。

取引に関する公共スペックのトラブル事例
取引や取引先に起因する公共スペックに関わる問題が多発している。弊社ではこのような場合、スペック制定元に照会し、公式見解として実際の取引に活用するようにアドバイスをしている。
またこのようなケースは氷山の一角に過ぎず、より多くの、またより複雑な問題が取引の障壁となっていることが予想される。DODなどではこれらの問題に対する適切な判断とアドバイスを行うと同時に、公共スペックを伴う取引には必ず取引先との事前の打ち合わせ、あるいは事前の検討によりこれらスペックに関する取り決めを実際の取引に織り込むことの必要性を強く説いている。
なおここに紹介した実例はより一般的な内容に対してDOD等からの回答を付記した。 個別の取引に有利になるかどうかは別にしてスペックに関する質問や疑問を公式見解に照らし合わせることは大変重要なことである。
実際、弊社が受け付ける調査サービスではスペックの要求値や試験方法について取引先との見解の相違からトラブルに発展するケースもあったと聞いているが、そのようなことが無いようにするためにもスペックに関する事前協議や取り決めをしっかりと行ってほしいものである。
なお下記の実例は必ずしも現在において最新情報ではない。
 
購入先から変更文書が届いたが正式文書として有効か。
MS25361の部品を購入した際に米国メーカからスペック改訂までの間DODにより変更が許可されたとの文書が提示されたが、正式文書として採用すべきか判断できずに困っている。
【A】当該スペック管轄のNAVAIRに本件を提示して確認をしたところ、当該文書は正式にて有効であるとの回答を入手した。
 
取引先からスペックが改訂されている話がでたが本当か。
MIL-STD-1629のB版があるということを取引先から聞いたが、公式サイトではA版のNOTICE 3で廃版となっている。真偽をただしたい。
【A】DODとしてはMIL-STD-1629Bの計画はない。もしその話(うわさ)の出所がわかるなら再度当たりたい。またA版はNOTICE3で廃止されたが、その方法や手順が無効になったわけではないのでMIL-1629Aと意図を同じくする文書を参考までに紹介する。(リスト略)
 
認定品が生産中止になり困っている。
国内認定で使用されるMIL-S-8784が生産中止となり、代替品を輸入しなければならなくなったが要求値に合致したシーラントではなく、認定されたシーラントが必要となる。
【A】現在はAMS-3284に移行(代替)されているために認定品はない。なお代替品としてはACTech社のAC-615あるいはCS-3300が現在存在する。 しかしながら現行スペック(AMS3284)の運用を検討されたい。
購入先から未認定品を受けてよいか判断できない
MIL-PRF-22750は塗料を規定するスペックであるが、認定業者から認定色以外を認定品として調達することを要請されている。業者は可能であると言っているが判断に苦慮している。
【A】認定業者からの調達品であればスペック要求に準拠していると思われるが、塗装色規格のFED-STD-595の要求を満たしている必要がある。
顧客から旧版スペックによる依頼があったが製造可能か。
顧客が旧版(例えばQQ-A-200/3E版)を指定して従来品の交換用として要求した場合、メーカとしては2024-T3を製造可能か。
【A】その通りである。その場合メーカは旧版や背景などの通知を製造や納品の事前に行うことである。顧客には発注の打ち合わせの際に通知することが望ましいと思う。契約(発注)後では納期の遅延を招く原因ともなる。あらゆる問題を防ぐために最も必要なことは、顧客とメーカの協力的なチームワークである。
 
スペック・アウト品が入荷したがメーカは合格品と言っている。
MS26574H版のスペックで注文したら、スペック外品が入荷した。メーカは現在はI版に準拠して製作しているから合格品であると回答してきた。
【A】MS26574の最新版はHである。現在改訂する予定は無い。
 
AMSの認定品を探しているが困っている。
AMS 3284を満たす物品を購入したいがどうしたらいいか。
【A】AMS 3284はSAEの関連団体のPRI-AMSから認定品目表(QPL)PRI-QPL-AMS3284が発行されているので利用されたい。
 
PRFの新たな認定品探しに苦労している。
MIL-PRF-81352CにQPL-81352は存在するか。本文に記載されるQPLが見当たらない。QPLが無い場合当該スペック品を製造しているメーカ名と製品名を調査願う。
【A】当該スペックには現在QPLは存在しない。今後要求が出る可能性はある。(ここではメーカ名と製品名情報は略)
 
顧客から廃止になっていると言われて慌てる。
MIL-T-55155は顧客より97-9-26で廃版となっているとの連絡をうけたが本当か。その場合DSCCの認定をうけた工場であれば今後も製造可能か。またA-A-59126に移行したとのことであるがどこの管轄で
管理されているのか。
【A】09/26/97付けにてMIL-T-55155Cの廃止通知が発行されている。スペックが廃止されるとメーカは製造を中止するが、需要があれば製造を継続する。A-A-XXXX型のスペックはCID(Commercial Item Description)と呼ばれ、一般品(簡易型)のスペックとしてGSA(General ServiceAdministration)により管理されている。このケースでは従来からのMILスペック品を廃止してCommercial(一般)品としてGSAが管轄するようになった。このGSAはA-A-XXXの仕様にあったメーカ品を常時登録しておくことで、政府調達を簡便化、迅速化、低コスト化させている。
 
双方のスペックが有効なために取引先との見解が異なっている。
超音波検査方法を規定するMIL-STD-2154とAMS-STD-2154は双方が有効であり、今後の社内適用規格としていずれを適用すればよいかについて材料メーカと購入先での見解が異なっている。
【A】今後数ヶ月以内に関係機関での調整が行われ、正式にAMS-STD-2154が採用され、その結果MIL-STD-2154は廃止されることになろう。それまでの間MIL-STD-2154が正式文書となる。
 
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