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【世界最大NATO装備品データベース(ウェブ版)】

2012.9.17

ーNMCRL(WEB2.0)の実力と実績ー

NATO(北大西洋条約機構)は2005年にNATO装備品システム(NCS)としてNMCRLデータベースを構築したがその後ウェブ版を強化し現在ではその最新版(Web2.0版)を世界中の政府機関および民間企業向けに提供する世界最大の装備品データベースとなっている。弊社ではNATOの協力を得てわが国の輸入装備品情報を強化するためにNMCRL(ウェブ版)の鋭意導入を図って行きたいと考える。なおNMCRL(ウェブ版)の詳細については弊社まで問い合わせください。(DCメール 2012年9月15日 No.325)

■NMCRL(ウェブ版)の実力と実績
今世界各国では自国の装備システムの即応性維持のために可能な限りリアルタイムでまた保証された装備品情報の運用が求められている。ひとつでも不良情報があればそれが命取りになりかねないからである。またコアリション体制の下、その配備範囲はグローバル・サプライチェーンへと急速に拡大している。こういった世界のロジスティクス環境の変化に伴い、かねてから米国を中心として開発を重ねてきたNATOでは加盟国はもとより支援国をも含めたグローバルな装備品情報データベース化を推進してきた。その結果現在では世界60カ国が参画した1700万件もの膨大で詳細な装備品情報の共通化に成功し、また2700万もの世界各国の政府や民間企業ユーザに対してウェブ版およびDVD版を通じて情報提供している。(NMCRLとはNATO Master Cross Reference Listの略である。) 
なかでもウェブ版であるNMCRL-WEB2.0は準リアルタイム(注1)情報を世界中のユーザに提供することでグローバルな装備品情報の瞬時取得が可能となり、世界240万にもおよぶメーカ(NCAGE)の3500万もの部品や装備品情報の代替品情報(Parts Number)やメーカ情報が取得できるようになっている。(注1)Updated by every seven(7) days
弊社では、かねてよりわが国の要求(Requisition)する輸入装備品が納入検査において不良品や欠陥品扱いされる問題やMILスペック改版による代替品の枯渇問題をDODやNATOと検討してきたが、今後はNMCRLウェブ版データベースを採用することでわが国の輸入装備品にまつわる不良品や欠陥品あるいは間違い品問題を一層し世界共通の装備品取得ツールとして導入を図ることが望ましいと考えている。なお、NMCRLウェブ版には米国政府のWebFLISが含まれており両者の共用性についてはまったく問題ないことがNATOの説明で明らかにされている。
■ところでNATO装備品システム(NCS)とは何か。
今やNCS は世界最大の装備品データベースとして世界60カ国(主要38カ国)、1700万件のNSN、3500万種類のメーカー品(Reference Parts Number)が収録されている。このNCSの基本は米国のFLISであるがFLISの場合は米国市場向けであることからNCSはまちがいなく世界最大のしかも参加各国が公認している装備品データベースである。
そもそもNCSやFLISなどロジスティクス情報の最大の目的は取得が迅速に行なわれることで装備品の欠落時間を短縮できることにあるが本当の価値とはNSNに取り込まれた各種要素データにより、在庫の確認、保存期間の識別、交換・代用可能な供給物品の識別、利用可能な代用品の最大限使用、価格情報の提供により防衛予算の最適化、武器システムのライフ・サイクルを拡張し、設計、製造および修理プロセスのためのサイクル・タイムの改善、機密情報を保護し、多数の調達業者の登録、重複物品の識別援助などが最適に行なえることにある。NATOのデータベースが最も重要で最も遠大なメリットは装備品市場が世界のNATO諸国ならびにアジア地域の諸国を巻き込んで多極化するなかで装備品の取得要求から保守、そして廃棄に至るまでのライフ・サイクル管理を提供することが可能となる点にある。
■何故NSNが重要なのか。
そこで重要なのがロジスティクスのDNAと呼ばれるNSNである。FLISやNCSはNSNの集合体である。このNSNは米国やNATOを中心に現在では世界の60カ国で採用されている装備品識別の最小単位である。NSNは必ず13桁の番号が付与され、物品名、識別データ、管理コード、参考価格、性能データなど多数のロジスティクス情報が組み込まれている。NSNの数は米国だけで700万件を越すと言われ、NATOやその他の関係国を含めると1700万件にも上る膨大な数である。このNSNの最大の特徴はなんと言ってもこれら加盟国のメーカにより生産される装備品、例えば航空機部品から生活必需品に至るまでの互換品や代替品情報が掲載されていることである。その結果これら生産財や消費財情報など民間製品の数は3500万件にも上るといわれている。
なおDODによればNSNの総合コスト概念はNATO諸国や国連( UN )における物品取得のオプティマム・ツールとして世界最大の利用者を抱えるまでに膨れ上がっているという。LCC(ライフサイクル・コスト)概念やPBLを掲げるわが国防衛装備品行政にとって本格的なNSNの運用は避けては通れないデファクト・スタンダードとなっている。
■わが国の現状
わが国政府や民間企業では近年米国製はもとより欧州製の装備品や部品などを取得するケースが目立っているが、こういった政府機関が運用する海外装備品情報や補給資料は今後海外公共機関が直接提供するWebFLISやNMCRLウェブ版を大いに利用することが求められるだろう。その理由として今日顕在化しつつある輸入装備品における不良品や欠陥品あるいは間違い品問題は一貫した海外装備品情報の欠落のためで要求元が指定した通りの装備品の納入が行われていないためである。NATOではこれらグローバル化する装備品情報は各国のNCB登録を通じて装備品メーカの責任と協力を義務付けておりNMCRLウェブ版を一貫して運用することでこれらユーザの問題を一掃あるいは軽減することができるとしている。
■NMCRLウェブ版の概要
NATOによるNMCRLウェブ版は米国のWebFLIS情報をそのまま採用しているためその情報量はWebFLISの2倍以上となっている。NMCRLウェブ版の概要は次の通りである。
●現在登録されているNSNは約1700万件。なおこれらは 各国のNCBで登録されたものが掲載される。
●基本概念、各エレメント情報は米国FLIS情報と同じであり、また約700万件のFLIS情報が含まれる。
●メーカ部品番号(Reference Parts番号)は3500万件また掲載されるメーカ数(NCAGE)は240万件を有する。
●現在のNMCRLユーザ数は世界で2700万ユーザである。
●国連との合意でUNCCS (United Nations Common Coding System)
のデータを取り込んでいる。
●NMCRLウェブ版は年間契約性(有料)で誰でも利用可能。
なおDVD版はWEB環境が不十分なユーザ向けに用意されており、データ更新は1カ月となっている。
注:NMCRLウェブ版にはわが国の企業が1万社近く掲載され約7万件の製品情報(パーツ番号など)が登録されているがこれらは世界各国のNCBで登録された情報が掲載されたものでわが国のNCBで登録されたものではない。
■NMCRLウェブ版についてのお問い合わせはメールにて弊社までご依頼ください。
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