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【米議会向け最新報告書(CRS)】

2013.5.14

-米公式情報にみる日本と韓国-
       
最新の日米関係と米韓関係をまとめた米国議会向け報告書(CRS)が米国公式機関によりほぼ同時に刊行された。この報告書について日本の一部の報道機関は日米関係のみを取り上げたがここでは日韓2つの報告書を比較する。それにより米国がここ数年韓国との最良の関係を構築したのに比べわが国には安倍新政権に対してもやや批判的とも受け取れる複数の問題をとりあげ日米関係を傷つける可能性を示唆していることがより鮮明に理解できる。そこでここでは防衛・安全保障分野に絞って日韓両国の報告の一部を紹介する。これをどう捉えるかはわが国の問題だが今後とも米国は韓国とは驚異的ともとれる同盟強化・共同計画が目白押しである。一方わが国には僅かながら軋(きし)みを覗かせる言葉が出始めたのが気にかかる。米国は今安部政権に対して難しい舵取りを求めている。

■日米関係について(要約から)ー2013年5月1日付
日本は米国にとって外交政策の多くの分野で重要なパートナーである。特に中国軍の近代化に対するヘッジから北朝鮮の脅威に対抗するまでのセキュリティ優先の観点において顕著である。第二次世界大戦後の日米同盟は東アジアにおける米国のセキュリティロールのアンカーとして長く存在してきた。(中略)最近では7年間に6人もの首相が交代し衆参両院の片方での反対は政策を麻痺させており全体において共有する国益にもかかわらず管理することが困難な日米関係を作りだした。おそらく最も重要なことは米国が直接東シナ海の尖閣諸島/釣魚小島での日本と中国の軍事衝突に巻き込まれることであろう。
また安倍首相とその内閣による歴史問題についてのコメントとアクションは米国の利益を傷つける方法で地域の関係を混乱させる可能性があることの懸念を提起した。またいわゆる第二次世界大戦の時代から性的奴隷”慰安婦”問題へのアプローチや歴史教科書、日本の戦死者への名誉とした靖国神社への参拝そして韓国との領土問題に関するステートメントは日本の近隣諸国と同様に米国によってもより密接に監視されよう。
米国が提供した2011年3月の “トリプル災害”への大規模かつ即時人道支援は二国間の同盟関係を強化したが特に沖縄に海兵隊の駐留に関連する困難な問題が残っている。ワシントンと東京は数千の沖縄からグアムへの海兵隊と他の地域に再配置することに合意したが、両国政府は2006年に合意した普天間海兵隊飛行場の移転を実装する上で具体的な進歩を遂げることができなかった。また米国議会は再編計画のコストについての懸念と不確実性のために再編のための資金を制限している。(後略)
■米韓関係の要約からー2013年4月26日付
韓国はアジアにおける米国の最も重要な戦略的、経済的なパートナーの一つである。米議会のメンバーは次のいくつかの理由韓国関連の問題に興味を持つ傾向にある。まず第一に米国と韓国は1950年代初期以来の同盟国であり軍事同盟のもと米国は特に韓国が北朝鮮からの侵略に対して自らを守るために努めている。米国は韓国に約28,500の軍隊を維持し韓国は米国の核の傘下に含まれる。 第二にワシントンとソウルは北朝鮮によってもたらされる課題に対処する方法を協力している。第三に多くの問題でグローバルプレーヤーとしての韓国の出現は両国の政府、企業、民間団体が相互作用するためとお互いに協力し大きな機会を提供してきた。第四に両国の経済は自由貿易協定(韓米FTA)で密接に絡み合っている。2008年後半には米国と韓国の関係は数十年の彼らの最高の状態であることは間違いない。全体米国と韓国の関係は次のように期待されている。新大統領朴槿恵の下で特に北朝鮮政策との二国間協議を引き起こす可能性や民生用原子力協力協定、戦略的協力と米韓同盟は北朝鮮に対処する米国と韓国の支配的な戦略的要素となっている。
2009年以来、米国と韓国は米韓を変換するためのステップを加速した。そのうちの1つの提携の主な目的は、地域への北朝鮮の攻撃に対する防衛とグローバル•パートナーシップである。ワシントンとソウルは「戦略的提携2015」計画を発表し半島に米軍を再配置し韓国の防衛能力を後押ししている。ますます高度な共同軍事演習は防衛パートナーシップを強化している。米当局者によると閣僚レベルでだけでなく実務レベルでの防衛調整は一貫している。二国間の軍事協力センターでは計画を担当する軍事作戦、合同軍事演習、ロジスティクス・サポート、情報交換および通信コマンド、コントロール、およびコンピュータシステムの運用を支援している。
韓国は米国の540百万ドル相当の取得を得て米国兵器の主要な購入者である。ボーイングとロッキード•マーティンは韓国の次期戦闘機の契約のためにそれぞれのF-15SEとF-35Aとの入札を提供する。2012年12月には米国防安全保障協力局は12億ドルコストで韓国にグローバルホーク(無人偵察機)の販売を提案した。グローバル•ホークは偵察のために厳密に使用されなければならず、売却はミサイル技術管理レジーム(MTCR)の違反を考えるとオブザーバは不拡散の規範を保証するためにオバマ政権に求めている
韓国の国防改革2020は土着の能力の開発を強調し防衛研究開発(R&D)に割り当てられた資金の割合を増加させることにより韓国は装甲車両、造船、航空宇宙で国際競争力を高めている。特に注目すべきなのはT-50ゴールデンイーグル、トレーナーと軽戦闘機でLM社と共同で開発している。米第110議会では武器購入者としての韓国のステータスをアップグレードする法案を可決した。これは韓国が非NATO同盟国からNATOプラス3カテゴリへ格上げされ主要なNATOプラス4となったことを意味する。このアップグレードにより米国行政府は韓国への武器販売を保留する米議会により高いドルのしきい値を確立することを通知し要求した。(後略)
【評】
米国が懸念する日米間における多くの停滞する事案とは裏腹に米韓間のこの目覚ましい発展には目を見張るものがある。米議会や政府の承認を必要とする韓国への武器輸出の拡大は無人偵察機の導入やNATOプラス3への格上げを具体化しまたF-15やF-35の導入にむけボーイングやLMなどとの協力により官民一体で取り組んでいることが報告されている。北朝鮮問題が両国の絆をより強固にしたものとはいえ米国は着実に韓国をグローバル・パートナーとして引き入れまたそのための措置を講じていることをこの際強く知っておく必要がある。
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