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(新版)【MILスペック攻略法】

2015.1.15

ーどうしたら問題を解消できるのかー

MILスペックに不明な点がありながら解決しないまま次の工程に進んでしまう。担当として不安が残る。このような話を以前に紹介したところ多くのユーザから沢山の反応をいただいた。この話は結局のところどうしたらMILスペックとうまく付き合えるのか、問題を解消できるのかということに尽きるようである。初心者の方も含めてMILスペックを学ぶユーザは是非参考にしていただきたい。(DCメール 2015年1月15日 No.381)

■MILスペック攻略法
MILスペックに不明点が多々あり、解決しないまま次工程に進んでしまうことが多く担当として不安が残る。このような声が弊社に数多く届く。弊社のスペック調査サービスでは毎日のようにこのような疑問や不明点の調査依頼がぶつけられてくる。弊社ではこれら問題は日頃からユーザがどのようにMILスペックに対して付き合っているのかということに尽きるのではないかと思う。
 
MILスペックは装備品取得に関わる契約文書のひとつである。たとえばある装備品の取得をする場合かならず複数のスペックあるいはその同等スペックが引用される。それはMILスペックが別のスペックを引用する形式を取っているからである。
スペックは特殊の場合を除き契約時点の最新版を使用することが義務付けられているから引用スペックも契約時点に合わせてあるいは契約の相手先の意向に合わせて適用する版を統一して臨まなくてはならない。また契約当事者同志にとって望ましいことであればどんどん新しい版を適用できるから絶えず最新版を追いかけていくことが大切とされているのだ。
 
ユーザは必ずスペックを読みこなす際に何故最新化され改訂されまた代替され廃止されるのかという疑問にぶつかる。最新版はその時代を反映しまたその時々の流れを組み込んで大きく変遷しているのである。
またスペックの表現が「するものとする」から「することができる」というよう変化してきている。こういうことに気が付かなければスペック・ユーザとは言えないのである。一般的にスペックには必須条項と参考条項が織り込まれておりその2つを明確に区別しなければならない。
また民間スペックに代替されるとスペックを形作る文化も大きく変りまるでまったく別のスペックになってしまうことになるのだ。そのうえスペックの記述には一定の約束やルールがあるので当然ながら記述される単語や節の定義づけは必須となる。また改廃文書の種類や形式も知っておく必要性がでてくるのである。 このようにスペックを形作る文化にも精通しておかなければならない。
 
一般にユーザにとって自分の考え方が容認されているかを求めることは何よりも重要であると言われる。ふつうユーザが求めるものは果たして自分が考えていることがスペックで容認されているかを知ることにあるようだ。しかしながら現実問題としてほとんどの場合その回答はスペックには謳っていないのである。そこでほとんどのユーザは躊躇するというのである。
巻頭で述べたように不明点がありながら次工程に進んでしまい担当として不安が残るとはまさにこの点を指しているのである。この場合は自分の見解と制定元の見解を一致させることが何よりも重要であることを改めて申し上げたい。悔いが残る解釈は場合によっては取り返しがつかない問題を抱えることになりかねないからである。
 
しかしスペックに存在する誤記の問題はこういった問題を越えていることも知っておく必要がある。悠に3万件を超える膨大なMILスペックには大勢のDODスタッフが専門分野に配置されてスペックを作成し改訂する作業を行っている。しかし一方では彼らはまたユーザからの疑問や質問に対して助言や回答を与えている。このことはスペックにも書かれていることであるがこう言った助言や回答、解説などは公式見解として利用できるので大変重要な業務となっている。中でも誤字脱字などの初歩的な問題で苦しむユーザも数多くあり早期に問題解決を図らなければ後で苦労することは目に見えているからである。
 
ところでユーザが頻繁に直面する問題として改訂されたスペックが旧版と比較した場合に起こる様々な違いである。一般にスペックが改訂された場合その内容や数値がどのように変化したかを知ることはもっとも重要である。
そこでユーザはその問題発見プロセスにおいて多くの疑問や質問が生じるが多くの場合解決しないまま次工程に進んでしまうケースが圧倒的に多いようである。そこでこの習性はできる限り改め、とことん追求してみることが理解をするうえで大切であろう。弊社が知る限りこれらの問題を着実に撲滅しているユーザは総じて効果的なスペック運用につながっているのである。
 
その昔MILスペック改革によってMILスペックが無くなるというウワサが立ったことがある。しかし実際は無用なスペックは廃止し必要なスペックはあたらしい形式で存続させるというものであった。確かに一時的にその数が減った時期があったが現在では定着しその中でどんどん新しいスペックに切り替えられている。これらの新しいスペックは従来のスペックと比べると大きく異なり性能重視型スペック(PRF)と言われる。そこでユーザにとってはこの新旧の比較を詳細に行うことがスペックの理解に大きく貢献するといってよい。
 
一般にMILスペックがキャンセルされて民間スペックに代替されるとスペックの文化が変わると考えるべきである。そのためにMILスペックは一定期間無効(インアクティブ)とされ、また代替されたあともしばらくは形が民間スペックでも中身はMILスペックのままである方法をとっているのである。
これはまったく新しい民間スペックの誕生の準備期間とも受け取れるが、2つの異文化の違いを正確に捕捉することがまずは求められる。米国防総省(DOD)が言うようにMILスペックの責任は国が取るが民間スペックの場合はメーカ責任が問われる。そのような異文化が双方に存在することをユーザは知っておかなければならないのである。
 
ところでスペックが改訂されると部品番号も変更される場合がある。特にMILスペックから民間スペックに移行される場合は全面的に新しい部品番号体系になる。これら部品番号のつけ方は形状や大きさ、材質などにより定義づけされるがMILスペックと民間スペックでは体系が異なる場合が多い。スペック更新がスピードアップした現在では部品の更新情報もスピード化が求められており発注業務にも支障をきたすことになる。
 
また部品発注に関しては旧版とは知らないで部品発注して最新版部品が納品されたケースが後を絶たない。特に海外メーカとのトラブルでは検査部門が受け入れできない。その結果生産ラインに影響しかねないといった問題となるが海外メーカにクレームをつけても対応してくれないというのだ。
こういう場合スペック制定元からの公的資料を入手することで問題解決をすることができることを知ってほしい。しかし多大な時間とコストは引き合わない結果を招くことにもなり新旧部品番号の管理やスペックの改廃には日ごろから十分目を光らせておかなければならないことは衆目の一致するところである。
 
MIL認定品のタイムラグ撲滅のためにQPLやQMLが徐々に減り、QPDが急激に増えてきた。このことはDODの求めるリアルタイムな認定品取得が実現しつつあることを指している。ただし折角のQPD運用においても証明信号(青黄赤ランプ)の誤認や更新の遅れがある。ユーザにとって認定品取得は必要不可欠である。認定品の受発注業務にQPDの運用と再確認を徹底する努力は不可欠となろう。
 
最後になるが最新版スペックを適用する場合問題点をいくつかに体系付けすることが「上手に読みこなす」工夫である。ふつうユーザが求めるものとは自分が考えていることが容認されているか否かを知ることにあることは述べた。
しかしながら現実問題としてスペックにはそこまで好意的に謳ってはいないのだ。それどころか誤字や脱字あるいは間違った数値、言い回し、表現など論理的におかしい条項も多数見受けられる。気を抜く暇がないことはこのことを言っているのである。そこでユーザは日頃から一字一句を丹念に理解をしながら改版や移行の理由、旧版との内容の違い、そしてその結果どのような問題があるのかを提起しなければならない。
MILスペックも民間スペックも制定元では自分たちが制定したスペックに関する問題を解決をする義務と責任がある。制定元で作ったスペックは制定元に聞くのが一番である。とにかくユーザは疑問に想ったことは何でも聞くことをここに改めて勧める次第である。
 
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