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SAE MOBILUS【第2弾: 先端製造ナレッジ・ハブ】の登場!!

2017.8.22

―アディティブ・マニュファクチャ(付加製造)について―
SAEではAdvanced Manufacturing(先端製造)を製品ライフサイクル全体を通して、移動体とその関連システム、コンポーネント、およびサブシステムの組み立てを改善するための新技術と非伝統的なプロセスの導入と定義しています。そして、このスマート・ファクトリーとも呼ばれる第4製造世代の有効化技術には、例えば、拡張センサー、計算能力、接続性、大規模データ分析および新しいヒューマンマシンインターフェースそして、付加製造(3Dプリント)などが含まれるようになりました。
こういった高度な製造には、アディティブ・マニュファクチャ(付加製造)を含むコンポーネント、サブシステム、製品を組み立てるための幅広い新技術とプロセスが含まれています。そこで、この新しい“先端製造”の事例としてアディティブ・マニュファクチャ(付加製造)を取り上げて解説します。
3Dプリンティング(3DP)としても知られているアディティブ・マニュファクチャは、材料を堆積させることによって、デジタル3-D設計データファイルを使用して層を構成するプロセスです。つまり硬い材料を塑像のように盛り付けながら造ることが、3Dプリンターの出現によって可能になり、塑像のように材料を付加しながら製造していく造形方法が確立されたのです。
付加プロセスでは、従来の多くの製造工程を不要として、アイデアを電子設計ファイルから完成部品に直接渡すことができます。そこで付加製造のメリットとしては、オンデマンド生産、部品の在庫削減、必要最小材料のため、材料廃棄物の削減、そして従来プロセスでは作成が困難なオブジェクトを製造する能力など、付加製造は30年近くにわたり利用可能であり、現在では多くの3DPがプロトタイプ作成に関連しているのです。
付加製造は、すでに多くの企業が採用していますが、多くの分野を改善して技術が進歩し、機械などの改良により、より高品質の部品の取得が可能となり、また材料の範囲が広がり、より多くのオプションが提供されることで、その結果、機械コストの下落が望めるようになるのです。そしてそこには、3DPはもはや試験段階の技術ではなく、またプロトタイプだけでなく金型や生産部品も生産する産業に成長しているといわれているのです。
しかしながら、一方では付加製造はコスト増、より多くの技術的な問題、そして技術者の育成などが上げられています。そしてこれらの障壁を短期間に克服するためには、企業は異なる技術へのアクセスを提供するだけでなく、サプライチェーン全体の関連する活動もカバーするため、専門的なサービスプロバイダと協力し始めることが必須となっています。
また、新たなビジネス上の問題として、知的財産権や特許侵害が登場しています。スキャニング装置を持つ誰もが部品をコピーして印刷するのは簡単ですが、これらの侵害によりスペアパーツまたはアフターマーケットビジネスにとって高価になる可能性になることが予想されるからです。
また製造システムと企業全体のシステムが相互接続されているため、望ましくない関係者によるシステムへのアクセスが潜在的に増加するため、サイバーセキュリティの問題が大幅に増加します。またエンドポイントセンサーと運用制御システム間のサイバー物理通信の高い信頼性と安定性を維持し、人間の監視が少ない生産プロセスの完全性を維持します。また新しい自動化による高額の人間雇用の創出やこれらの新しいシステムおよび生産方法を使用して、これらの新しいシステムを操作し、部品を設計するための、高度に熟練したデジタル型人材の発見と育成が急務とされているのです。
3DPを使用することでローカライズされた自動車産業は、ジャスト・イン・シーケンス(JIS)生産をOEMのサプライヤーやパートナーのネットワークに影響を与え、今日の複雑な自動車サプライチェーンを大幅に変革し、短期的には、製品および機械部品のプロトタイプおよびツールのサプライヤへの依存度が低下することを示唆し、また長期的に見ると、物理的ではなくデジタル製品を制作する企業で価値創造が行われることになるでしょう。
このたび、SAE MOBILUSではこのように自動車や航空宇宙産業が大きく変革していく知識集約的なナレッジ・ハブ【第2弾: 先端製造ナレッジ・ハブ】の提供を開始しました。これにより、多くの企業が、人材が、より集約的な情報に接する機会が増え、生産性向上や人的育成が進むであろうことを期待しています。
【先端製造ナレッジ・ハブ】の詳細およびサービス内容については、弊社データクラフトまでお問い合わせください。
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